(仮訳)テキサス州産の新種Cantharellus texensis、tef-1配列データにより明らかになった南方に分布するC. cinnabarinusの類似種
Buyck, B. et al., 2011. Cantharellus texensis sp. nov. from Texas, a southern lookalike of C. cinnabarinus revealed by tef-1 sequence data. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/103/5/1037.short [Accessed May 29, 2015].
【R3-01871】2015/05/29投稿

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3行まとめ

米国テキサス州で採集されたCantharellus cinnabarinusの類似種をC. texensisとして新種記載した。
同種は新規に得られたtef1遺伝子の塩基配列でC. cinnabarinusと区別され、肉眼的区別は困難であるが顕微鏡的形質が顕著に異なっていた。
また、C. cinnabarinusのネオタイプを指定し、C. minor f. intensissimaの分類について議論した。
United States, Texas, Hardin County, Big Thicket National Preserve, near Saratoga, Lance Rosier Unit

(新種)

Cantharellus texensis Buyck & V. Hofstetter
語源…テキサス産の
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【よく似た種との区別】
Cantharellus cinnabarinus(ベニウスタケ)
米国に分布する
肉眼的形態が区別が困難なほど類似している(同種とされてきた)
EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種より地理的分布がずっと広い
本種よりずっと普通種である
本種より担子胞子が顕著に短い
EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cantharellus cinnabarinus var. australiensis
傘表皮の菌糸が薄壁
本種と異なり米国ではなくオーストラリアに分布する
本種より担子胞子のQ値が小さい
本種と異なり担子胞子が細長い楕円形ではなく短楕円形
本種と異なり傘表皮の菌糸が平行に配列するのではなく緩い菌糸からなる
本種と異なり傘表皮の菌糸の末端細胞が薄壁ではなく様々な厚さの壁を有する
Cantharellus persicinus
米国に分布する
本種と異なり米国テキサス州ではなくテネシー州に分布する
本種より担子胞子のサイズがずっと大きい
本種と異なり傘表皮が平行な円筒形薄壁の菌糸からなるという特徴を欠く
本種と異なり傘表皮の末端細胞の壁が薄壁ではなく顕著な厚壁
Cantharellus minor f. intensissimus
米国に分布する
子実体の形態が類似している(混同のおそれがある)
本種より子実体のサイズが通常小さい
United States, Tennessee, Blount County, Great Smoky Mountains National Park, vicinity Townsend, Cades Cove, Willie Myers

(その他掲載種)

Cantharellus cinnabarinus (Schwein.) Schwein.
ベニウスタケ
※本種のネオタイプを指定した。
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【よく似た種との区別】
Cantharellus persicinus
米国テネシー州に分布する
形態的に非常に類似している(混同されてきた可能性がある)
本種より地理的分布がずっと狭い
本種よりずっと発生が稀である
本種と異なりC. cibarius種複合体に近縁
本種と異なり子実体が触れたり老成したりすると基部からさび褐色に変色する
本種より担子胞子のサイズがずっと大きい
本種と異なり傘表皮の末端細胞がいくぶん棍棒形なのではなく一般的に棍棒形でない
本種と異なり傘表皮の末端細胞の壁が様々な厚さではなく顕著な厚壁
Cantharellus texensis
米国に分布する
肉眼的形態が区別が困難なほど類似している(同種とされてきた)
EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種より地理的分布がずっと狭い
本種よりずっと発生が稀である
本種より担子胞子が顕著に長い
EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cantharellus tabernensis
米国に分布する
傘表皮が緩い菌糸からなる
傘表皮の菌糸の末端細胞が様々な厚さの壁を有する
EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cantharellus appalachiensis
米国に分布する
傘表皮が緩い菌糸からなる
傘表皮の菌糸の末端細胞が様々な厚さの壁を有する
EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Cantharellus persicinus R.H. Petersen
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【よく似た種との区別】
Cantharellus texensis
米国に分布する
本種と異なり米国テネシー州ではなくテキサス州に分布する
本種より担子胞子のサイズがずっと小さい
本種と異なり傘表皮が平行な円筒形薄壁の菌糸からなる
本種と異なり傘表皮の末端細胞の壁が顕著な厚壁ではなく薄壁
Cantharellus cinnabarinus(ベニウスタケ)
米国テネシー州に分布する
形態的に非常に類似している(混同されてきた可能性がある)
本種より地理的分布がずっと広い
本種よりずっと普通種である
本種と異なりC. cibarius種複合体に近縁でない
本種と異なり子実体が触れたり老成したりすると基部からさび褐色に変色するという特徴を欠く
本種より担子胞子のサイズがずっと小さい
本種と異なり傘表皮の末端細胞が一般的に棍棒形でないのではなくいくぶん棍棒形
本種と異なり傘表皮の末端細胞の壁が顕著な厚壁ではなく様々な厚さである

(その他掲載種)

Cantharellus minor f. intensissimus R.H. Petersen
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【よく似た種との区別】
Cantharellus texensis
米国に分布する
子実体の形態が類似している(混同のおそれがある)
本品種より子実体のサイズが通常大きい
Cantharellus minor(ヒナアンズタケ)
本品種より子実体のサイズが典型的には大きい
本品種と異なり子実体が鮮橙色ではなく典型的には黄色
本品種と異なり傘表皮の末端細胞が厚壁ではなく薄壁